特許業務法人って?
特許業務法人は、複数の弁理士が共同して特許事務所を創立するために設けられた法人であります(弁理士法第37条)。しかしながら、現在では、その本来的な面もありますが、既にある程度の規模をもつに至った特許事務所が、その経営主体を明確化するために特許業務法人化することもあります。
「特許事務所」のうち、「特許業務法人」と明記されていないものは、すべて個人経営事務所です。抽象名詞を用いた特許事務所であっても、特許業務法人ではない特許事務所は、大小にかかわらず、すべて、一人の弁理士による個人経営事務所です。
そこで問題となるのが、所員として入所するときに、その雇用主が当該個人経営者であるのか否かです。雇用主が個人経営者である場合には過去に多くの雇用関係についての問題点が生じていて、例えば、ウィキペディアの「特許事務所」の欄では、まことに残念でありますが誤解を生じかねない前近代的な紹介がなされています。
大規模になった個人経営事務所では内部に株式会社を設立していて、雇用主が当該株式会社であるとしていて、所員の福利厚生や処遇に配慮している例が多くあります。安富国際特許事務所は、2008年12月末まで個人経営事務所であり内部に株式会社を有していて、所員の福利厚生や処遇に配慮するとともに、当該株式会社の取締役を法的根拠にして実質的なパートナー制をとっていましたが、2009年1月から個人経営事務所から特許業務法人安富国際特許事務所に改組し、代表社員2名を含む社員による複数経営事務所となり、法上も実際もパートナー制の事務所となりました。